ミニバラには珍しくとても濃厚な香り、色の変化が素敵な「スイートチャリオット」の成長記録です。
大苗で迎えて3年目、南東向きのベランダで育てています。
耐病性が少ないミニバラの中では強い品種だと思いますが、黒星病で葉を全部落とすこともありました。
育ててみて気を付けるポイントがわかってきたのでまとめました。
スイートチャリオットについて
スイートチャリオットはアメリカで作出された品種。
白~緑の花色で人気のミニバラ「グリーンアイス」と同じ育種家によるもので、両者は性質が良く似ていると言われています。
チャリオットとは車輪のこと。枝垂れて枝先に房咲きになる様子が車輪のようだから名づけられた、という説があります。
四季咲き性・香りが強く強健、花色のグラデーションが美しいことから、現在でも愛されている品種です。
ミニバラの中でも人気の品種で、濃厚なスパイス香がします。
花色は、赤色から先進むと退色し、紫色が強く表れます。
ミニチュアとしては珍しい色彩で人気品種です。
枝ぶりは細くコンパクトで、吊り鉢にしても楽しめます。初心者の方にもおすすめです。
篠宮バラ園HPより
成長記録
栽培環境:鉢植え栽培。春夏は南東側、秋冬が西側ベランダ。
風通し・日当たりは良いが、夏場高温になりやすい。雨には当たらない。
2021年2月末 購入
バラの家で年始から予約購入をしていた大苗が、2月末に到着しました。
6号鉢で、バラの家オリジナル培養土に植えられています。
「ミニバラだから細いかな?」と思っていましたが、しっかりとした太い台木で、枝も多いです。
新苗で買おうかとも思っていましたが、これほど立派なら大苗で正解でした。
新芽もたくさんふくらんでいて元気そう。
2021年4月
4月中旬。元気にわさわさと茂っています。
4月初めに株の成熟のため、枝先をピンチしました。
2021年5月初旬 開花
つぼみが数えきれないほど出ています。5月初旬から数輪咲き出しました。
これだけの花でも、ふわっと甘く濃厚な香りが漂います。
スイートチャリオットの香りはスパイス香・中香とされることが多いですが、私にはバラらしいダマスク香・強香に感じます。
1週間後。5月中旬で満開一歩手前なので、スイートチャリオットはやや遅咲きの部類です。
普通のミニバラより少し大きめのポンポン咲き、色味も華やかで目を引きます。
上の写真の翌日。気温が高いので咲き進むのが早いです。
先に咲いた花が白っぽく退色してゆき、新しく咲いた花とのグラデーションが美しいです。
2021年5月末 鉢増し
他のバラともに、5月末鉢増しをしました。
ファイバークレイの鉢ですが、スイートチャリオットにはテラコッタカラーが似合うと思っています。
28cm四方の大きな鉢に負けないほど茂っています。
ファイバークレイ‥ファイバーグラス(ガラス繊維)を樹脂やセメントなどで固めて成型した素材。強度が高く割れにくい。
模様違いですが、こちらの鉢が近いです。
2021年6月末
満開は過ぎましたが、つぼみが途切れず、四季咲き性は高め。
気温の上昇とともに、少し株元の葉が落ちました。
2021年8月中旬
夏に入り、上部の葉が黄色くなって落ち始めたので日陰に移動しました。
夏バテ気味ではありますが、まだ咲いています。
5月頃、花後の剪定枝で挿し木をしてみたところ、無事根付いていました。
枝垂れた感じにしたいと思って、ハンギングバスケットに植え替え。
2021年8月末 夏剪定
夏剪定。葉が減っていたので軽く揃える程度にしました。
2021年10月
10月中旬、秋の花が咲き始めました。気温が下がってからは、新しい葉が茂ってきました。
まだ差して4カ月くらいなのに、挿し木苗も咲き始めました。同じく挿し木のペンタスと寄せ植えにしています。
2021年11月中旬
秋の開花後、葉をみるみる落としてしまいました。
土の渇きが悪いため、一回り小さいテラコッタ鉢にサイズダウン。
水はけ重視で、腐葉土・赤玉土・鹿沼土を1:1:1で混合した土に植えました。
その後の生育が良かったので、スイートチャリオットにはこういった高さのある素焼き鉢がおすすめ!
過湿に注意です。
2022年1月下旬 冬剪定
こんもりした樹形にしたかったので、ちょっと短めに揃えてみました。
2022年5月 2年目の開花
5月中旬、日当たりが良いからか挿し木苗が先に満開に。
シャトードゥシュベルニー、サルビア・ネモローサと。
大苗も次々開花。思ったよりも枝が伸びて、床から数センチの高さで咲きました。
2022年夏~2023年年明け
うっかり梅雨時期に雨にあててしまったら、すぐ黒点病になり、葉がほぼ落ちてしまいました。
夏から秋にかけて棚上で養生し、冬の剪定は前年と同程度、少し短めにしました。
スイートチャリオットは枝の更新が多く、枯れる枝もありますが、それよりも多くの新枝が出てきます。
2023年5月
今年も5月中旬に開花。
剪定後、元気に新しい葉を出して復活。
調子が悪くなっても、春にはわさわさに茂ってくれるので、やはり強健です。
枝のしだれ方もちょうど良く、剪定も成功で嬉しい限り。
遅咲きのノヴァーリスと開花が同時期です。
スイートチャリオットの甘い香りに誘われて、マンションのベランダでもミツバチがよく来ていました。
2023年9月
8月末に夏剪定をし、1週間後の様子。葉は落ちていますが、中心部からシュートが何本も出ています。
他のバラと同様、剪定後に土の表面にバットグアノを混ぜ込み、HB101とハイポネックスを週1で散布しています。
ハンギングの挿し木苗は、2本ありましたが猛暑で枯れてしまいました‥
2年間楽しませてくれてありがとう!
スイートチャリオット 育てた感想まとめ
花・香り
・開花時期は5月中旬でやや遅め。
・花持ちはそこそこ。濃い紫がかったピンクから白っぽく淡い色に変化し、ハラハラ散ってゆく。
・多花性で、細い枝でもたくさんつぼみを付ける。
・濃厚なダマスクの甘い香り。強香。
葉・枝
・春先は特に茂り、こんもりとした樹形を作る。
・枝は細いが自立する。伸びた枝先は自然に垂れる。
・枝の更新は多く、シュートが出やすい。
生育・耐病性
・生育旺盛。
・春先のハダニ、梅雨の雨による黒点病と過湿に注意。雨にあてなければ病気にはかかりにくい。
・うどんこ病は、横に感染した植物を置いた時以外には発生せず。消毒ですぐに治った。
・耐陰性あり。
・挿し木成功率高め。
おすすめの鉢・仕立て方
・枝先が枝垂れるので、高さがある鉢や花台に置くのがおすすめ。
ハンギングも向いている。
・根が過湿に弱いため、素焼きの鉢だと生育が良い。
読んでくださってありがとうございました!