病気に弱く育てるのが難しいとされる青バラの中で、目立って強健なため「最強の青バラ」として有名なノヴァーリス。
実際に育ててみると、育てやすく、花付き・花持ちが良いので人気があるのも納得でした。
大苗で迎えてから3年間の記録です。
ノヴァーリスについて
ノヴァーリスを作出したコルデスは、丈夫なバラの育種に力を入れていることで知られています。
ノヴァーリスも耐病性が高く強健、四季咲き性が高く、ADR賞を受賞しています。
ADR賞‥花の美しさだけではなく、耐病性・耐寒性などを厳しくチェックするドイツのコンテスト。
バラの家ではタイプ0(半年に1度の薬剤散布、ほぼ無農薬で育てられる耐病性の強いバラ)に分類されています。
やわらかなティーの香り、現在における青バラ系の品種で、最も丈夫で病気に強いバラです。
花弁が多く良く咲きます。枝は堅く、しっかりした株を作ります。
うどんこ病、黒星病に特に強く、寒さに強いです。
花名は小説「青い花」の作者で、18世紀ドイツの詩人の名前です。
2013年ADR受賞。(2019/8/6)
篠宮バラ園 商品説明より
品種名 ノヴァーリス 英語名 Novalis 系統 ハイブリッドティ 作出年/国 2010年/ドイツ 作出者 Kordes 香り 中香 開花習性 四季咲き 花形 カップ咲 9cm 樹高 1.5m
ラベンダー色のバラの中でいくつか迷いましたが、出来るだけ無農薬で育てたかったので強い品種が欲しかったこと、花びらがツンととがった形が素敵だったので選びました。
成長記録
2021年2月末 購入
バラの家で年始から予約購入をしていた大苗が、2月末に到着しました。
6号鉢で、バラの家オリジナル培養土に植えられています。
枝がまっすぐで太く、おうぎ形に伸びています。
2021年4月初旬
到着から1カ月半後。
ノヴァーリスの葉は大きくツヤがあり、トゲも大きめ。株元が隠れるほど葉が茂って、いかにも元気そうです。
3月末に新芽をピンチしました。
2021年5月初旬 初めての開花
1か月で30cm以上伸びたのではないでしょうか。
ゴールデンウィーク中、2泊3日の旅行から帰ってきたらノヴァーリスの鉢が倒れていました。
背が高くなったので風にあおられてしまったようです。
慌てて起こしましたが、倒れてから時間が経ち、枝先が太陽の方に曲がっていたので、樹形が斜めになってしまいました。
翌日、まだうねってはいるものの樹形が戻ってきました。株自体にはダメージがなかったようで、一安心。
1輪開花していますが、他にもたくさんつぼみを上げています。
ノヴァーリスはやや遅咲き。10cmを超える大輪で見ごたえがあります。
また花持ちが良く、散らずに先端からしおれていくいくタイプです。
2021年5月末 鉢増し
その後もすぐ風にあおられて倒れてしまうため、鉢増しをしました。
1mを越し、すでに6号鉢には不釣り合いな大きさになっていました。
他のバラ同様、素材は割れにくいファイバークレイ、ノヴァーリスに合わせて背の高い鉢を選びました。
これまでの6号深鉢の容量は4L、今回の鉢は20L以上入るので、だいぶサイズが上がりましたが、生育旺盛なので大丈夫だと思います。
ファイバークレイ‥ファイバーグラス(ガラス繊維)を樹脂やセメントなどで固めて成型した素材。強度が高く割れにくい。
同じ鉢はもう販売していないのですが、この辺がサイズ的には近いです。背の高いバラにおすすめ。
オベリスクに枝を広げて固定し、株元にも日が当たるようにしました。
オベリスクを購入するときは、鉢の直径も確認した方がよいです。
私は1度失敗しました‥
2021年8月中旬
その後の成長。オベリスクの地上からの高さが140cmで、ノヴァーリスもだいたい同じ高さです。
2021年8月末 夏剪定
夏剪定。高い位置で咲くと花を見上げる形になってしまうので、2分の1ほどに切り詰めました。
2021年10月初旬 秋の開花
ちょうどオベリスク上部と同じ高さで咲いてくれました。
花が上ばかりになってしまったので、次は段差を付けて剪定しようと思いました。
秋は花持ちがよく、満開の状態が長くて嬉しい。
2022年1月下旬 冬剪定
1月末に剪定。
ノヴァーリスは、枝が太いかわりに枝数が増えにくいです。
高さがあると景色にメリハリが付くので、高めに段差を付けてカットしました。
2022年3月末
剪定から2か月弱、勢いよく芽を出しています。
赤みがかった新芽も好きで、ついついチェックしてしまいます。
2022年5月 2年目の開花
5月中旬。他のバラは満開を迎えていますが、ノヴァーリスはようやく1輪目が咲きだしたところです。
今年もつぼみをたくさん上げていて、これぞフロリバンダ!という感じ。
下旬に入り、ようやく満開になりました。
太陽の向きに向かって咲くので、開花までは前面(剪定で低くした面)をベランダの外に向けておき、開花時期に鉢の向きを内側に変えているのですが、後から咲いた花たちがどうしても外向きになってしまいます…
おまけ。こちらは5月中旬にバラ園で見たノヴァーリス。
さすがの花付きで、こういうのを見ると地植えがうらやましくなりますね。
他のバラが終わりかけている中、ノヴァーリスはまだまだこれから!という風情でした。
2022年6月
6月上旬。まるで剪定後のような短さですが、「花後の剪定を枝の半分くらいでしておけば、夏剪定は不要」と本で読んで試してみたのです。どうなるでしょうか。
6月中旬、上の写真の2週間後です。
短い期間で20cm以上も伸びており、この時期の成長は目を見張るものがあります。
2022年秋
8月下旬、有機肥料を土に混ぜ込んでいるとコガネムシの幼虫(すでに死亡)が3匹出てきました。
定期的にオルトランを散布していたのですが足りなかったのか?追加で多めにまいておきました。
虫のせいか、秋バラは数輪程度であまり咲きませんでした。
2023年1月
本当は下旬にしようと思っていましたが待ちきれず、1月中旬に剪定と土替え。
バラの剪定は、ガーデニングの中でも大好きな作業です!
大きいので苦労しましたが、何とか一人でも鉢から抜くことができました。
なかなか大きい鉢ですが、鉢底まで根鉢がしっかりできていたので、調子は悪くなさそうです。
コガネムシのせいで根が少なくなっているかと心配だったので、ホッとしました。
ちょっとさびしかったのでパンジーとガーデンシクラメンの実生苗、挿し木のイベリスを植え込み、もみ殻くん炭でマルチングしました。
2023年3月
剪定から1か月後。芽が伸びています。
株元の花が咲きだして、株元に彩りを添えています。
2023年5月
5月中旬、満開を迎えました。開花が昨年よりも早かったのは、剪定時期が早かったからか、気温が高かったためかと思います。
きれいだったので、ベランダの中心に持ってきました。鉢植えの良いところは、好きに位置を移動できる点ですね。
普段光が当たりにくい位置だった左側が貧相になってしまったので、普段から鉢を回してまんべんなく日を当てようと思いました。
2023年9月中旬
8月末に夏剪定をし、3週間後の様子です。
今年の夏は猛暑で、7月上旬から暑い日が続いたのでダメージが大きかったです。
下の方は葉が落ち、新しく出た葉も小さいです。
シャトードゥシュベルニーと同じく、剪定後に土表面にバットグアノを混ぜ込み、HB101とハイポネックスを週1で散布しています。
これで回復してくれるといいのですが‥
今秋の花はあまり期待できそうにないので、冬にまた土替えをして来年に期待します。
\元気を取り戻しました!対処方法はこちらから/
ノヴァーリス 育てた感想まとめ
花・香り
・開花時期は5月中旬~下旬。遅咲き。
・花持ちは大変良い。つぼみからゆっくり開花してゆき、その後も花びらの先が日に焼けたりしおれたりするが、ハラハラ散らないので片づけやすい。
・香りはあまり感じない(中香となっているが、私は微香だと感じる)。
・多花性で、たくさんのつぼみを付け豪華に咲く。1輪が10cm以上。
葉・枝
・新芽は赤みがかり美しい。
・葉は大きく濃い緑。うどんこ・黒点病ともかからず病気に強いが、温度変化で葉を多く落とす。やや葉焼けしやすい。
・枝はまっすぐ伸び太め。変な場所から芽が出たり、あっちこっち向いたりしないので扱いやすい。
・シュートは出にくい。
生育・耐病性
・生育旺盛。高くなりやすい。
・非常に病気に強い。
おすすめの鉢・仕立て方
・高さが出るので、フォーカルポイントとして使うのがおすすめ。花壇なら後方向き。
・非常に生育旺盛で大きくなるため、大きめで安定感のある鉢がよい。
・風で葉がすれて傷つきやすいので、枝を固定しておくと安心。
ノヴァーリスの分類について‥ハイブリッドティ、フロリバンダ、シュラブ‥とサイトによって記載が様々ですが、育ててみて、私はハイブリッドティーとフロリバンダの中間くらいかなと思いました!
樹形は木立ち(ブッシュ)タイプ、房咲きで花は大きめなのでいいとこ取りですね。
読んでくださってありがとうございました!